仔犬・仔猫の寄生虫由来の下痢~コクシジウム編~

新しくご家族に迎え入れた仔犬、仔猫が軟便や下痢を繰り返すことがありませんか?
元気・食欲があってものような消化器症状を放置しておくと栄養不良や衰弱してしまうことがあります。

下痢にも様々な原因がありますが今回は寄生虫疾患の一つコクシジウム症に関してお話しします。

コクシジウム症は原虫という小さな寄生虫の感染によって起こります。日和見感染症と呼ばれる疾病の中の一つで、健康なワンちゃんでは感染しても多くの場合発症しませんが、ワンちゃんやネコちゃんの免疫力が低下してしまった場合などに発症し下痢を繰り返し、他のウイルス感染症と重複感染があったりすると重篤な症状になる場合があります。ご家族に迎え入れたばかりのワンちゃんネコちゃんは体も小さいため環境変化のストレスでコクシジウム症を発症しやすい状況にあります。

症状

軟便、水様性の下痢、血便、嘔吐、元気消失

元気食欲があっても水分を多く含んだ便、繰り返す軟便には要注意です。

診断

糞便検査によって行います。
肛門から直接採取して顕微鏡で見つかることもありますが実際の便があるとより正確な診断をすることができます。
便の持参方法ですがペットシーツをそのままビニール袋にいれたり、ラップ等に包んでいただければ大丈夫です。
持参が難しければ便の回数、写真等があれば診断の補助となります。

治療

治療にはメトロニダゾール(製品名:フラジール)という抗生剤を使うことが多いです。メトロニダゾールは苦く、投薬は3日から14日間と長期間に及ぶことが多く駆虫には根気がいります。

当院ではコクシジウム症にはプロコックス®を使用しています。なんと1回の投与で93.9%の有効性を示します。さらに液体のためメトロニダゾールより投薬が容易です。プロコックス®は、国内で唯一承認されている犬用のコクシジウム駆除剤です。猫には適応外使用となってしまいますが、プロコックスの有効成分であるトルトラズリルは論文では猫のコクシジウム症に対しての有効性が明らかになっており、オーナー様にエビデンスを提示したうえで猫にも投与し高い駆虫効果を示しています。

コクシジウム症は早期発見・治療が大切です。
原虫はコクシジウム以外にもトリコモナスやジアルジアを多く見かけます。

ぜひトリコモナスとジアルジアもご一読ください。


いつもお読みいただきありがとうございます

■院長 田代 雄太郎

当動物病院では、動物たちと飼い主様と獣医師でタッグを組んで、正面から向き合って診療・治療を行ってまいります。



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