猫白血病と猫エイズ、どちらも発症すると免疫力が著しく低下し様々な病気にかかりやすくなる病気です。残念ながら根治する方法はありません。
そして、正しい予防をしていないと日常生活で簡単に感染してしまいます。
猫白血病(FelV)と猫エイズ(FIV)の予防に関して
正しいワクチネーションを行っても感染してしまう可能性は少なからずありますが、感染リスクは間違いなく下がります。当院では猫白血病(FelV)と猫エイズ(FIV)の感染リスクがある猫ちゃんには予防をお勧めしています。
日本における猫エイズウイルスのサブタイプ比率は、2010年に行われた調査でA群が30.2%、B群が42.2%、C群が5.5%、D群が22.1%程度と推計されています。宮崎県のFIVの流行状況はA群とD群です。
日本では現在A群、D群の株に対して有効性が確認されB群の株に対して有効性が示唆されているワクチンが販売されており当院でも使用しています。
病態
猫白血病(FelV)
猫ちゃんの約20頭に1頭が感染。
症状:著しい免疫力の低下、重度の貧血、白血病、腫瘍など
感染経路:主に感染猫との喧嘩、グルーミング等でも感染リスクあり。
猫エイズ(FIV)
猫ちゃんの約10頭に1頭が感染。
症状:著しい免疫力の低下、口内炎、歯肉炎など
感染経路:主に感染猫との喧嘩、唾液にもウイルスが存在するが傷口に入ると感染。グルーミング等ではほとんど感染しない。
どんな子が予防したらよいの?
・多頭飼育(新しく猫ちゃんを保護される場合、先住猫が正しい予防をしていないと家庭内感染してしまう可能性があります。)
・外にお散歩に行く
・屋外飼育
・喧嘩をよくしてしまう など
当院の予防プロトコール
猫白血病(FelV)
8週齢以降に初回接種し、3週間後に2回目を接種、2回目接種の1年後に1回追加接種を行う。その後は、感染リスクがある場合のみ2~3年に1回接種を行う。
猫エイズ(FIV)
8週齢以降に初回接種し、2~3週間後に2回目を接種、さらに2~3週間後に3回目接種を行う。3回目接種の1年後に1回追加接種を行う。その後は、感染リスクがある場合のみ1年に1回接種を行う。
注意点
FIVは非常に変異の多いウイルスであることに加え、AからE群の5つのサブタイプに分かれ異なるサブタイプ間では抗原性も異なります。このことにより正しいワクチネーションを行っていても感染してしまうことがあります。
FIV感染を防ぐ最大のポイントはFIV感染猫への接触を防ぐことです。
FelV、FIVのワクチネーションはしっかりと予定を組む必要があります。接種したから安全ではありません。必ず獣医師と相談して行ってください。
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■院長 田代 雄太郎
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